相乗効果を見込み、同業ではない企業への譲渡を実行
- 経営基盤の強化
- 建設業
歴史ある土木建築業者の事業承継
今回は、業歴70年を超える土木建築業を営む元請け地場ゼネコンの事業承継案件をご紹介します。
今年65歳になるオーナー社長は、事業環境の変化や後継者不在を理由に10年ほど前からM&Aを検討していました。
数年前に、同業の大手を相手に直接売却交渉を行っていましたが、交渉ノウハウもなく、条件を整えることができず見送りとなった過去も。
そんな過去がありつつ、昨年取引金融機関から当社を紹介され、具体的なM&Aによる現実的な売却イメージが湧いてきました。
取引金融機関と当社と連携し、いよいよ事業承継の実現に向け、行動を開始。
相乗効果を見込み、双方納得の譲渡が成立
当社は同業や建設に関心を示しそうな近隣業種に打診していきましたが、なかなか進まず、打診先の方向転換へ。
打診を進めていく中で、同業ではなく不動産開発・管理を手掛ける企業が、総合不動産業経営の観点から期待できると関心を示してきました。
相乗効果も見込めるという理由もあり、交渉を開始。
譲渡企業は自社管理不動産も抱えており、不動産の評価や権利関係の整理に時間を要していましたが、買収による相乗効果を確信した買い手は粘り強く対応、交渉に応じました。
結果として、基本合意締結から5か月をかけて無事に譲渡が成立しました。
引き続きオーナーが取締役として在任し、事業拡大に力を添えることが譲受企業からの依頼でしたが、これまでの経営トップの責任からは解放されたことで趣味のマラソンにも力を入れられるようになり、より充実した人生を送られているようです。
今回の譲渡が成立したポイント
①同業ではなく開発・管理を手掛ける不動産会社に新たな発展の可能性を示せたこと。
②建築土木業界特有の経営者や従業員の真面目さが、譲受企業に高く評価されたこと。
③譲渡企業が(保有不動産の評価に関して)譲受企業の目線を理解したうえで、一方的に高い価格を主張しなかったこと。
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