CASE

M&A成約事例

事業は好調に推移するも独自での成長に限界を感じ、停滞からの脱却を企図するためのM&A【成約インタビュー】

  • 事業の多角化
  • 後継者問題の解決

今回お話を伺ったのは、通信関連商品を製造・販売する「モノワイヤレス株式会社」。当社は、ニッチな技術で、業界知名度が非常に高く、また、業績も順調に推移しておりました。一方で、創業者である齋藤社長(当時)と奥村副社長(当時)は、「今のままでは、これ以上の成長は無い。」、「将来を見据えた取り組みが出来ていない」という課題を抱えておりました。

創業から10年、順調に成長してきた当社が、なぜM&Aという選択肢に踏み切ったのか。今回のM&Aで中心的な役割を果たされた奥村副社長にお話を詳しくお伺いしました。

Q. まず、M&Aを検討される前の御社の経営状況を教えてください。

お客様からのお問合せは多く、数字だけを見れば順調に推移していたと思います。一方、日々の業務に追われ、成長する為の次の一手を打つ余裕がない状況が続いていました。

私は、製造業には大きく2種類の重大な投資があると考えており、①機械設備のように「お金で買えるもの」、②人的資源を活用し進める「未来のための準備」です。当時は、後者が全く手付かずの状況でした。

また、創業者の一人である齋藤社長の年齢を考えると、「今すぐではないが、3〜4年後を見据えた対策を考えないといけない」という漠然とした不安があり、この状況がM&Aを取組する切っ掛けとなりました。

Q. M&Aに対してはどのような印象をお持ちでしたか?

創業した当初より、怪しいDMが大量に届き、“怪しいDM集団”というイメージがありました(笑)。

実は、創業前、M&A仲介会社に事業引き取り先の探索をお願いしようと面談したことがあります。当時は、事業規模が小さかった為、「対象にならないですね」と言われました。

その経験から、M&Aで会社を売却するにも、「ある程度の事業規模になって初めて検討できるもの」という固定概念がありました。

ただ、先程述べた通り、会社の郵便物等を見る限り、あまり良い印象はありませんでした。

Q. 仲介会社はどのように探されたのでしょう?

色々検討しておりましたが、それほど能動的に探していた訳ではありません。

最初の切っ掛けは、以前からお付き合いのある会社が、とある仲介会社を強く推薦してきたことだったと記憶してます。

その仲介会社で、売却シミュレーションを作成して貰いましたが、決算書数値を並べ機械的な計算をするだけで、こちらが求めていた「数年後にM&Aをするなら、今どう考え動くべきか?」、「どの様な状態を目指せば良いのか?」等のアドバイスは全くありませんでした。正直に申し上げて「単発の売り買いしか興味がない」という印象でした。

そのあと数社のお話を伺い、最終的に御社に決定したという流れです。

Q. 弊社を選ぶ決め手は?

御社の浅山さんは、当を得た内容の議論ができ、経験値が豊富な印象がありました。ご提案内容も痒い所に手が届く繊細さで、現実的で安心感がありました。

また、成約手数料の面でも現実的で無茶が無い感じで、自然と御社にお任せすることになりました。

Q. 買い手探しの中で、どれくらいの会社が候補に挙がりましたか?

リストに載っていた数は、数十社あったと思います。 製造業からファンド系まで、幅広い候補が提示されました。

Q. ミッドホールディングス様のご紹介を受けた際、第一印象はいかがでしたか?

大変失礼ながら、会社名も存じ上げず、ホームページを見て「Bluetoothを製造している会社だな」というぐらいの理解でした。

第一印象としては、若い社長がいる会社という点と、私が本社のある東北に地理的な親しみがあった。このあたりが印象に残っております。

Q. 譲渡先として決めた理由は?

齋藤社長がM&Aを機にリタイアすることを予定していたため、価格も重要な要素の一つでした。

ミッドホールディングス様は、その条件にも合致しました。

また、全くの異業種よりも、少しでも近い事業領域の方が良いと感じており自然と候補の上位に残りました。

Q. M&Aで大変だったことは?

デューデリジェンスの為に過去の資料を探すのも大変でしたが、それ以上に、スケジュール調整が一番大変でした。

M&Aは情報管理が第一と言いますが、淺山さんとの面談の為、社員がいない時間を狙って会社に入ったことはよく覚えています。

Q. 従業員にはいつお知らせしましたか?

告知は、もちろんM&Aが成立した当日です。

ただ、十分に気を付けておりましたが、察しのよい社員は、ミーティングの連絡を2日前に出した時点で気付く従業員もおりました。

Q. M&Aを行って良かった点は?

良かった点としては、まず停滞していた社内の雰囲気が明らかに良くなったことです。

· 新しいことができるかもしれないという期待感

· 経理システム・営業システム等の包括的なIT化の推進

· コミュニケーションの多様化(買い手側の従業員との交流)

· 生産管理・監査体制の改善

こうした変化は既に出ています。

また、M&Aを検討する切っ掛けとなった「将来への成長」についても展望できる様になりました。

製造業、とくに小規模の会社では、「事業を育てる力」と「事業を整える力」は別物です。例えば、環境対応・書類対応・品質管理のやり方など、業界・会社ごとに保守的なルールが存在することも多く、会社を大きくする土壌づくりに苦心する方が多いという認識です。

 

それに成功し、事業がある程度育った段階で、次へ進むため の体制整備が必要になりますが、それを自力でやるのは非常に難しいと感じます。

今回のM&Aでは、「将来への成長」の段階に進むことが出来たと明確に感じています。

売り手にとっても、買い手にとっても、そして従業員にとっても、M&Aは「事業を前へ進める一つの手段」として十分に価値があると実感しました。

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