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M&A成約事例

【成約事例】ハンバーガーショップがコメダ傘下に入れた理由(譲受け企業インタビュー)

  • 飲食業

2024年10月、ジャパンM&Aソリューション株式会社の仲介により、三義総業株式会社の運営する飲食店「ハンバーガー&サンドイッチ ベイス」とコメダホールディングスの子会社である株式会社コメダコマース(以降コメダコマース)のM&Aが締結されました。ベイスは当時1店舗のみの個人店、コメダホールディングスの傘下に加わるとは夢にも思わなかったそうです。ベイスを買収したコメダコマースの代表取締役社長 北川直樹さんからお話を伺いました。

譲受企業情報

会社名:株式会社コメダコマース
事業内容:飲食店の店舗企画・経営、食料品・酒類の販売など
         
Q:会社の成り立ちからお話ください。

A:私共は「コメダ珈琲店」を運営する株式会社コメダホールディングスの100%子会社です。コメダグループとして新業態・新ビジネスを開拓することが重要な役割の一つです。コメダには「コメダ珈琲店」という強いブランドがあり、創業から50年以上、ほぼ単一業態で会社を成長させることができましたが、全国への店舗展開を果たし、1000店舗を超えるチェーンとなった今、いよいよ既存事業での成長限界について対策の必要性がさらに高まりました。

 

今以上の成長を続けるには、新業態・業種へのチャレンジが不可欠であり、自社開発と並行して、MAという手法で「時間をお金で買う」戦略を選びました。というのも、私は自社の強みが「0から1を作るのではなく、既にあるものをより良くし、より大きくしていくことができること」だと認識しているからです。

 

 また、一般的に事業の新規開発は大変です。どんなに魅力的で将来性のある事業でも、成功するまでには時間がかかりますし、運やタイミングも少なからず必要です。一方で、MAは既にお客様からの支持があり、利益に繋がっているビジネスに途中から参入できるので失敗するリスクが低く、将来性もある程度見込めます。

Q:MAのお相手選びにおいて、もっとも重視したところはなんですか?

A:当社がMAで重視したのは「当社グループとしてシナジーが見込めること」と「ブランド(信用)力」です。長年地元で愛されていること、どこにもない個性があること。そういう業態でなければ無理してグループに加える必要はないと考えていました。

 

当初は喫茶店・カフェなどコメダと近い業態から探し始め、徐々に範囲を広げていきました。長年地元で愛されている老舗カフェや、ご当地コーヒーチェーンなど様々な店舗を検討しましたが、どこもご縁にはつながりませんでした。

 

また、単なる規模拡大のためのMAは絶対にしないと決めていました。単純に店舗数が増え、売上も伸びて会社が大きくなったように見えますが、内容が伴っていなければ結果として利益を残すことができず、持続性もありません。単なる規模拡大ではなく、「差別化要因、付加価値、利益の源泉」を理解した上で、一緒に事業を展開できるパートナーでなければタッグを組む必要はないと考えていました。

 

そんな中、ジャパンMAソリューション様からご紹介いただいたお店が「ハンバーガー&サンドイッチ ベイス」でした。当時のベイスは多店舗展開をしておらず、一見するとよくあるグルメハンバーガーのお店です。

 

なぜ当初、この店舗に興味をもったのかと言うと、率直に「利益率が非常に高かったから」。通常、同規模の店舗・業態から想定される業績よりもベイスは売上が高く、特に営業利益が非常に高い水準にありました。その理由の一つがデリバリーの売上構成比の高さであり、オフィスデリバリーに重点をおくニッチなポジションを掴んでおり、これは全く新しいジャンルだと思いました。

 

また、フルサービスのコメダ珈琲店とは対局にあるビジネスモデルに挑戦する意義も強く感じました。コメダ珈琲店は美味しいコーヒーとくつろぐ時間と空間を提供するサービスを売りにしています。一方で、ベイスの強みは「デリバリー」という接客がないサービス。コメダ珈琲店がこれまでに扱ったことのない対局にある業態で、挑戦する価値があると思いました。

 Q:ジャパンM&Aソリューション株式会社との出会い、また、M&Aを進める上でのアドバイザーとしてジャパンM&Aソリューションを選んだ理由について教えてください。

 A:コメダ社とジャパンM&Aソリューション株式会社との関係は、MAを行う約3年前にまで遡ります。その間、ご提案をいただいたり、情報交換をさせていただいたりなどやり取りはありましたが、具体的な案件の検討に至るまで3年ほどかかりました。 ただ、ご提案をいただいてからの対応は早く、誠実にご対応いただけたと思います。

私もMAを行った他社の話をよく耳にしますが、M&Aのプロセスは紆余曲折、二転三転するのは当然だと思っていました。しかし、ジャパンMAソリューションのご担当者様には、誠実に対応していただき、話をうまく取りまとめていただくことができました。

Q:統合後の現状と今後の展望について教えてください。

A:MAの後は、既存従業員を全員残しつつ、それまでの店のスタイルややり方を尊重する方針を採用しました。「既存のやり方には理由があるので、変えるにしてもちゃんと把握してから変える」というアプローチです。そのおかげかこれまでにもともといた社員の離職はほとんど起きていません。

今後の目標は、ベイスの事業拡大です。改めて業態の自己分析を行い、差別化要因や付加価値を整理し、成長戦略を描いたうえで、ベイスという唯一無二の業態をより魅力ある業態にして成長させていきたいと考えています。

 Q:M&Aを検討している企業へのメッセージ

A:M&Aを検討している企業・ご担当者様に対して、お伝えたいしたい重要な事は「諦めないこと」と「信じること」です。

パートナー探しもそうですが、検討に入ってからクロージングに至るまでは紆余曲折、トラブルや想定外はつきものという前提のもと、何があっても簡単に諦めず、「どうやったら解決できるか」を模索し続ければ必ず道は開けると思います。

また、M&Aでの当事者は利益相反関係の側面もある為、時には駆け引きもあります。本質を見極める上で、疑うことも大切ですが、それ以上に大切なのは「信じること」だと思います。私共は相手を信じ、ジャパンM&Aソシューションのご担当者様とそのご尽力を信じた結果、とてもよいご縁をいただけたと改めて感じます。

 

ベイス元社長の今井義博さん(左から3人目)、コメダコマース代表の北川直樹さん(左から4人目)、譲渡後、スタッフと一緒に

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