苦難を乗り越え、希望通りの株式譲渡が成立
- 後継者問題の解決
- 経営基盤の強化
- その他
老舗企業による事業売却の決断
創業40年以上の商品カタログやパンフレット、各種シールなどの印刷を行うA社(対象会社)。
先代社長がご病気をされて以降、先代社長の妹、奥様の二人三脚で事業を引き継ぎ、永年運営をされてきました。しかし、紙媒体の減少による印刷業界の需要減少やコロナの影響もあり業績は落ち込んでいきました。
親族や従業員に事業を承継したい気持ちもあったが現実的ではなく、将来への不安から廃業を考えることもありました。
顧問税理士には第三者による事業承継は反対されたものの、改めて考え直し、従業員のために株式の売却を検討し、取引金融機関に相談しに行き、当社の紹介に至りました。M&Aについて丁寧に説明した所、株式譲渡の決断をされました。
悪条件での譲受企業探索
印刷業界を取り巻く事業環境に加え設備も古く、売上・利益に対し借入金も多かったA社。
業界自体の衰退も見据えていることもあり譲受企業の探索は難航しました。
しかし探索開始後、2~3か月ほどしてから進捗していきます。A社の商流やエリアが関東の中心地ということで同業の2社が興味を示してくれました。
シナジーを感じ、同業者への譲渡が決定
この2社とトップ面談・工場視察を実施し、最終的に1社が商流の部分でシナジーを生み出せると判断し、基本合意を締結しました。
この1社は過去にも同業の印刷業者を買収している経緯もあり、今回についてもスムーズにご対応いただきました。
各人にとって納得のいく事業承継へ
案件化してから7か月ほどでのクロージングとなりましたが、A社の関係者(代表・妹・奥様)が希望していた役員貸付金相当額を退職金で受け取ることができ安堵の声でした。また、従業員の雇用の確保や工場自体もそのまま継続できるので、譲渡後には更なる事業拡大を見込めると判断しました。
今回成約できたポイント
①業界的には厳しい状況ながら、商流や関東の中心地という立地の良さに着目し、工場として稼働拠点として使用できるとご判断いただいたこと。
②対象会社に営業人員が不在の中、譲受企業側から営業人員を投入することにより、売上伸長が期待できると判断されたこと。
③譲受企業として、永年二人三脚で経営されてきたお二人の人柄にもシンパシーを感じ、友好的で良好な関係を維持しながら交渉が進められたこと。
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